年度末に向けたWordPressサイト棚卸し完全手順|不要プラグイン安全削除・休眠アカウント整理とDB最適化

年度末や新年度の組織体制刷新が近づく時期は、社内の業務整理やシステムの見直しが進むタイミングです。しかし、企業のWebサイトで最も利用されているWordPressにおいて、「使わなくなった不要プラグイン」や「退職者・過去の外注先のアカウント」、そして「肥大化したデータベース」がそのまま放置されているケースが後を絶ちません。

これらは単にサーバーリソースを無駄に消費するだけでなく、悪意ある攻撃者にとって絶好の足がかりとなる重大なセキュリティホールを生み出します。特に、年度末・年度始めの繁忙期や体制変更の隙を狙った不正アクセスは年々巧妙化しています。

本記事では、WordPressサイトを安全かつ軽快に保つための「年度末サイト棚卸し完全手順」を徹底解説します。不要プラグインの安全な完全削除、休眠アカウント・権限グループの厳格な整理、そしてデータベースの肥大化クリーンアップまで、3つの実践ステップとコピペで使える全15項目のチェックシートを通じて、自社サイトの健全化を完遂しましょう。


目次

放置プラグイン・休眠アカウントが招く3大セキュリティインシデント

日々のコンテンツ更新やサイト運営に追われていると、「後で確認しよう」とプラグインを停止させたままにしたり、プロジェクトが終了した外部パートナーのアカウントを放置しがちです。しかし、これらの「Webサイトの負債」は、以下のような深刻なインシデントを引き起こす最大の温床となります。

① 停止中プラグインを狙ったゼロデイ脆弱性・RCE(遠隔コード実行)攻撃

最も危険かつ多い誤解が、「プラグインを無効化(停止)しているから安全」という認識です。WordPressの仕組み上、プラグインを「停止」しただけでは、プラグインを構成するPHPファイル群はサーバー(/wp-content/plugins/ディレクトリ内)にそのまま残存しています。

攻撃者がブラウザや自動化スクリプトを用いて該当PHPファイルへ直接リクエストを送信した場合、ファイルの記述内容によっては、WordPress本体の初期化処理を経由せずにスクリプトが単体で実行されてしまうことがあります。特に以下のような脆弱性が残存している場合、致命的な被害につながります:

  • RCE(Remote Code Execution: 遠隔コード実行): 攻撃者が外部から任意の悪意あるPHPコードをサーバー上で実行し、サイトの完全な乗っ取りやバックドアの設置を行う。
  • SQLインジェクション: 入力値のサニタイズ不足を突き、データベース内の個人情報やログイン認証情報を不正に取得・改ざんする。
  • 任意ファイルアップロード: 認証を介さずにWebシェルなどの不正ファイルをサーバーにアップロードされる。

無効化されたプラグインはアップデート通知を見落としやすく、既知の脆弱性が長期間放置される傾向があります。使わないプラグインは「停止」ではなく、「完全削除(アンインストール)」することがセキュリティ対策の絶対条件です。

② 退職者・旧外注先の休眠管理者アカウントからの情報漏洩・不正侵入

WordPressサイトの不正侵入経路として、プラグインの脆弱性と並んで多いのが「休眠アカウントの悪用」です。

企業のWebサイトでは、過去にサイト構築やデザイン改修を依頼した制作会社、退職した社内担当者、単発で記事執筆を委託したライターなどのアカウントが、削除されずに残存しているケースが極めて多く見られます。特に以下のケースは極めて高いリスクを伴います:

  • 管理者権限(Administrator)を持ったままの退職者アカウント: 退職者の私用端末やブラウザにパスワードが保存されていたり、他サービスと同じパスワードを使い回していた場合、外部からのクレデンシャルスタッフィング(パスワードリスト攻撃)によって簡単に侵入されます。
  • 契約終了した外注先のアカウント: 外注先企業内でのセキュリティ事故や情報漏洩が発生した際、自社サイトへの侵入口として悪用されます。
  • 2要素認証(2FA)が設定されていない休眠アカウント: 稼働中の主要メンバーが2FAを設定していても、放置された1つのアカウントがパスワード突破されるだけで、サイト全体の管理権限を奪取されます。

不要なアカウントは即座に削除し、権限を最小限に絞り込む「最小権限の原則」を徹底しなければなりません。

③ 肥大化したデータベース(ゴミデータ)による表示速度低下とDBクラッシュ

長期間運用しているWordPressサイトでは、データベース(MySQL/MariaDB)内部に膨大な「ゴミデータ」が蓄積していきます。主な原因は以下の3点です:

  1. 削除済みプラグインの設定残骸: 多くのプラグインは、管理画面から削除してもデータベース内のwp_optionsテーブルや独自カスタムテーブルにデータを残します。
  2. 無制限に溜まるリビジョンと自動下書き: 記事の編集・保存を繰り返すたびに過去履歴が無限に保存され、数千〜数万件の不要レコードが蓄積します。
  3. 期限切れのトランジェント(一時キャッシュ)データ: 正常に自動削除されなかった一時キャッシュがテーブルを圧迫します。

特にwp_optionsテーブルのautoload(全ページ読み込み時に自動ロードされる設定値)が肥大化すると、サイトの全ページでメモリ消費とクエリ実行時間が増大し、TTFB(最初の1バイトが届くまでの時間)が極端に悪化します。最悪の場合、アクセス集中時にデータベース接続確立エラー(Error Establishing a Database Connection)を引き起こし、サイトが完全にダウンする事態に発展します。


【ステップ①】不要・停止中プラグインの安全な完全削除マニュアル

ここからは、実際にサイトの棚卸しを進めるための実践的な手順をステップバイステップで解説します。最初のステップは、最もセキュリティリスクの高い「不要・停止中プラグイン」の整理と完全削除です。

「停止」するだけでは危険!サーバー上にPHPファイルが残る脅威

前述の通り、WordPress管理画面の「プラグイン」一覧で「無効化」をクリックしただけでは、サーバー上のファイルは一切消去されません。

WordPressのプラグインは、有効化されていなくてもファイル自体がWeb公開ディレクトリ(/wp-content/plugins/プラグイン名/)に配置されたままです。攻撃者は自動スキャナーを用いて、世の中に公開されている脆弱性データベース(CVE情報やWPScan等)と照合し、無効化されているプラグインの脆弱性エンドポイントに対して直接HTTPリクエストを送信します。

そのため、「現在使用していない」「過去のテストで導入したきり」「代替プラグインへ移行済み」のプラグインは、例外なく完全にアンインストール(削除)するのが鉄則です。

プラグインを削除する前の依存関係チェックと事前バックアップ

プラグインを削除する際は、サイトの表示崩れや機能不全を防ぐため、必ず以下の事前準備を行います。

  1. 依存関係とショートコードの確認:
    • 削除予定のプラグインが生成しているショートコード(例:

      エラー: コンタクトフォームが見つかりません。

      やカスタムスライダー等)が記事本文やウィジェットに残っていないか確認します。そのまま削除すると、記事上に未展開のショートコード文字列がそのまま露出してしまいます。
    • 他のプラグインと連携している「拡張プラグイン(アドオン)」の場合、本体より先に関連設定を解除する必要があります。
  2. 完全バックアップの取得:
    • 万が一削除後に予期せぬ不具合が発生した場合に備え、データベースとファイル全体のバックアップを取得します。
    • バックアッププラグイン(UpdraftPlusやAll-in-One WP Migration等)の利用、またはレンタルサーバーの自動バックアップ機能・phpMyAdminからのエクスポートを実施しておきましょう。

管理画面からのアンインストールと「削除できない」トラブル対処法

通常は、WordPress管理画面から以下の手順で削除を行います:

  1. 管理画面の「プラグイン」>「インストール済みプラグイン」を開く。
  2. 対象プラグインの「無効化」をクリックする。
  3. 無効化後に表示される赤文字の「削除」をクリックし、確認ダイアログで「OK」を選択する。

しかし、環境によっては「削除できませんでした」というエラーが表示されたり、削除ボタン自体が表示されないトラブルが発生することがあります。その場合の対処法は以下の通りです:

トラブルの原因 発生状況 対処手順
ファイルパーミッションの不整合 サーバー側の所有者権限(Webサーバー実行ユーザー)とFTPユーザーが異なり、ファイル削除権限がない サーバーのファイルマネージャーまたはFTPソフトで、該当プラグインディレクトリのパーミッションを一時的に755、内部ファイルを644に変更して再試行する。
必須プラグイン(Must-Use Plugins) /wp-content/mu-plugins/に配置されており、管理画面に削除リンクがない サーバーやホスティング業者が自動設定しているケースが多い。FTPやSSHで直接該当ディレクトリを確認し、不要であれば手動削除する(※サーバー提供のコア機能でないか要確認)。
PHPプロセスのタイムアウト プラグインの容量が極めて大きい、またはファイル数が多すぎて削除処理が途中で中断する FTPソフト(FileZilla等)またはSSH接続にて、/wp-content/plugins/対象プラグイン名/ディレクトリを直接削除する。

削除後にデータベースに残る「wp_options」「カスタムテーブル」の完全クリーンアップ手順

多くのWordPressユーザーが見落としているのが、「管理画面からプラグインを削除しても、データベースにゴミが残り続ける」という事実です。

WordPress標準の仕様では、プラグインを削除した際にデータベースのレコードを自動消去する義務はありません。アンインストール用スクリプト(uninstall.php)を適切に実装していないプラグインの場合、以下のようなデータがデータベース内に半永久的に残存します:

  • wp_options テーブルの設定値: プラグインの各種設定フラグやシリアライズデータ。
  • autoload = ‘yes’ のレコード: プラグインを削除したにもかかわらず、毎ページ読み込み時にメモリへロードされ続ける残骸データ。
  • プラグイン専用のカスタムテーブル: アクセス解析、フォーム投稿履歴、EC機能などが独自に作成したテーブル(例: wp_actionscheduler_actions 等)。

これらをクリーンアップする具体的な手順は以下の通りです。

手順A: 最適化プラグイン(WP-Optimize等)を活用した安全な一括整理

データベースを直接操作するのが不安な場合は、「WP-Optimize」などの信頼できる最適化プラグインを活用します。

  1. 「WP-Optimize」>「データベース」メニューを開く。
  2. 「データベーステーブルの最適化」「未使用データの削除」を実行する。
  3. 「テーブル」タブを開き、既にアンインストール済みのプラグインに関連するテーブル(接頭辞やテーブル名で判別)が存在しないか確認し、不要なテーブルを削除する。

手順B: phpMyAdminで autoload の肥大化を調査・削減するSQL

中・上級者の運用者であれば、phpMyAdminから直接SQLクエリを実行して、サイト遅延の元凶となる大容量の不要設定値を特定できます。

-- autoloadされているデータサイズが大きい上位20件を抽出
SELECT option_name, length(option_value) AS option_size
FROM wp_options
WHERE autoload = 'yes'
ORDER BY option_size DESC
LIMIT 20;

このクエリを実行して抽出されたoption_nameのうち、すでに削除したプラグインの名前が含まれているレコードがあれば、そのプラグインの残骸です。該当レコードを削除、またはautoloadを'no'に更新することで、サイト全体の読み込み速度(TTFB)が大幅に向上します。

※データベースのより詳細なクリーンアップ手順については、関連記事「年末年始に向けたWordPressサイト大掃除とデータベース最適化手順|肥大化・リビジョン安全削除と高速化」でも詳しく解説しています。


【ステップ②】ユーザーアカウント・権限グループの総点検と整理

ステップ①のプラグイン整理に続いて実施すべきなのが、「ユーザーアカウントと権限グループの棚卸し」です。社内の人事異動や退職、外注先との契約終了に伴い、放置されたアカウントを徹底的に整理します。

最終ログイン日時の確認と休眠アカウントの洗い出し

まず最初に行うべきは、登録されている全ユーザーの状況把握です。WordPress管理画面の「ユーザー」>「ユーザー一覧」を開き、全アカウントをリストアップします。

標準のWordPressでは最終ログイン日時が表示されませんが、「WP Activity Log」などの監査ログプラグインを導入している場合や、サーバー側のアクセスログを確認することで、直近半年〜1年間に一度もログインしていない「休眠アカウント」を特定できます。

洗い出しの際は、特に以下の属性に注目してください:

  • 退職者や異動した元担当者: 既に社内業務から離れているにもかかわらず、過去のアカウントがそのまま残っていないか。
  • 過去の制作会社・開発パートナー: リニューアル時や機能追加時に発行した一時的な開発用アカウントがそのままになっていないか。
  • 「test」「admin」「user」などの初期・検証用アカウント: サイト構築時の動作確認用アカウントが放置されていないか。

これらは悪意のある第三者からブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)や辞書攻撃のターゲットになりやすいため、即座に削除または無効化の対象とします。

管理者権限(Administrator)の最小化(編集者・投稿者への降格手順)

セキュリティ設計における基本原則に「最小権限の原則(Principle of Least Privilege: PoLP)」があります。これは、業務を遂行するために「必要最小限の権限のみを付与する」という考え方です。

多くのサイトで見られる悪例が、「更新作業を行う全員に管理者権限を付与している」状態です。日常的にブログ記事を執筆・公開するだけの担当者であれば、「投稿者」や「編集者」権限で業務は十分に完結します。

WordPress標準の権限グループと適切な付与基準

権限グループ 可能な主な操作 適切な付与対象
管理者(Administrator) プラグイン・テーマの追加/削除、コア更新、全ユーザー管理、一般設定の変更 サイト全体の技術責任者・システム管理者(原則1〜2名に限定)
編集者(Editor) 他ユーザーを含む全記事・固定ページの作成・編集・公開・削除、カテゴリー管理 Webサイト運用のリーダー・コンテンツ統括担当者
投稿者(Author) 自身の記事の作成・編集・公開、メディアファイルのアップロード 日常的に記事を直接公開する社内ライター・担当者
寄稿者(Contributor) 自身の記事の下書き作成・編集(公開権限・メディアアップロード権限なし) 外部ライター、公開前に社内チェックを必須としたい担当者
購読者(Subscriber) 会員限定ページの閲覧、自身のプロフィール編集のみ 会員サイトの一般読者・会員ユーザー

全ユーザーを点検し、管理者である必要がないアカウントは、ユーザー編集画面から権限グループを「編集者」または「投稿者」へ降格させましょう。

権限グループの詳しい役割マトリクスや安全な設定手順については、「WordPressユーザー権限グループのセキュリティ設定完全ガイド|管理者から購読者までの権限マトリクスと最小権限の原則」をぜひ参考にしてください。

アカウント削除時に投稿者データを別ユーザーに安全に引き継ぐ方法

休眠アカウントや退職者のアカウントを削除する際、最も注意しなければならないのが「過去にそのユーザーが投稿した記事の扱い」です。

WordPress管理画面でユーザーを削除しようとすると、以下の2択を迫られます:

  1. すべてのコンテンツを消去する
  2. すべてのコンテンツを次のユーザーに関連付ける

ここで誤って「すべてのコンテンツを消去する」を選択してしまうと、そのユーザーが過去に執筆した記事・固定ページが一括で完全削除され、サイトのURL構造が崩壊(404 Not Foundが大量発生)し、検索エンジンの掲載順位やアクセス数に壊滅的な打撃を与えてしまいます。

安全なアカウント削除手順

  1. 管理画面の「ユーザー」>「ユーザー一覧」から、削除対象アカウントにチェックを入れて「削除」を選択する。
  2. 削除確認画面で、必ず「すべてのコンテンツを次のユーザーに関連付ける」を選択する。
  3. プルダウンメニューから、引き継ぎ先となる「現行のサイト管理者」または「編集長アカウント(企業公式代表アカウント等)」を選択する。
  4. 「削除を完了」ボタンをクリックする。

この手順を踏むことで、過去の公開記事を一切失うことなく、不要なログインアカウントのみを安全に完全消去できます。

なお、組織変更や担当者退職時のより包括的な引き継ぎ手順については、「WordPress管理者引き継ぎ・退職時セキュリティチェックリスト|アカウント棚卸しと権限剥奪の安全手順」でも実務フローを網羅しています。


【ステップ③】リビジョン・自動下書きの整理とデータベース最適化

ステップ①でプラグインの残骸を整理し、ステップ②でアカウントの棚卸しを完了したら、ステップ③では「データベース全体の最適化」を実施します。WordPressを長期間運用していると蓄積するリビジョンや一時データを削減し、データベース本来のパフォーマンスを取り戻します。

数千件溜まる投稿リビジョンの安全一括削除

WordPressには、記事の編集履歴を保存して過去の状態に戻せる「リビジョン(Revision)」機能が標準で備わっています。非常に便利な機能ですが、デフォルト設定のWordPressでは保存件数が「無制限」に設定されています。

例えば、100記事あるサイトで各記事を30回編集・下書き保存した場合、それだけで3,000件ものリビジョンレコードがデータベースのwp_postsテーブルに蓄積します。数千記事規模のオウンドメディアであれば、リビジョンだけで数万〜数十万件に達し、データベースサイズ全体の80%以上をリビジョンが占めているケースも珍しくありません。

リビジョンの一括削除方法

リビジョンは単なる過去の編集履歴であるため、現在公開中の記事本文には一切影響を与えずに安全に削除できます。

  • プラグインで削除する場合:
    「WP-Optimize」をインストールし、「データベース」>「投稿リビジョンをすべてクリーンアップ」にチェックを入れて「最適化を実行」をクリックするだけで、不要なリビジョンが一括消去されます。
  • SQLで削除する場合(上級者向け):
    phpMyAdminのSQL実行画面から以下のクエリを実行します(必ず事前にDBバックアップを取得してください):
-- 不要な投稿リビジョンレコードを一括削除
DELETE FROM wp_posts WHERE post_type = 'revision';

-- 削除されたリビジョンに紐づくメタデータの残骸を削除
DELETE FROM wp_postmeta WHERE post_id NOT IN (SELECT ID FROM wp_posts);

wp-config.php で今後のリビジョン上限を設定する(WP_POST_REVISIONS)

リビジョンを削除してデータベースを軽量化しても、設定を変更しなければ日々の記事作成に伴って再びリビジョンが無限増殖してしまいます。

これを恒久的に防止するため、WordPressのルートディレクトリにある設定ファイルwp-config.phpに上限設定を追記します。

wp-config.php への追記コード

FTPソフトやサーバーのファイルマネージャーでwp-config.phpを開き、/* 編集が必要なのはここまでです ! WordPress でブログをお楽しみください。 */(または That's all, stop editing! Happy publishing.)という記述の直前に、以下のコードを記述します:

// 投稿リビジョンの最大保存件数を「5件」に制限
define('WP_POST_REVISIONS', 5);

// 自動保存の間隔を「160秒」に延長(デフォルトは60秒)
define('AUTOSAVE_INTERVAL', 160);

// ゴミ箱に入った記事を「7日後」に自動完全削除(デフォルトは30日)
define('EMPTY_TRASH_DAYS', 7);

各設定項目の解説

  1. WP_POST_REVISIONS (推奨値: 3〜5):
    保存するリビジョンの最大数を指定します。5件程度保持していれば、誤操作による原稿の復元には十分対応でき、データベースの肥大化を確実に抑えられます(falseを指定するとリビジョン機能を完全無効化できますが、誤操作時のバックアップとして数件残しておくことを推奨します)。
  2. AUTOSAVE_INTERVAL (推奨値: 120〜180):
    記事編集画面での自動下書き保存の間隔(秒数)です。デフォルトの60秒から延長することで、編集中に発生するバックグラウンド通信と一時データの保存頻度を抑え、サーバーのCPU負荷を軽減します。
  3. EMPTY_TRASH_DAYS (推奨値: 7):
    ゴミ箱に移動した記事やコメントが自動的にデータベースから完全消去されるまでの日数です。放置されがちなゴミ箱データを定期的に自動消去し、不要なレコードの滞留を防ぎます。

不要なトランジェントデータ・ゴミ箱データの消去と断片化解消

データベースの大掃除の仕上げとして、期限切れの一時データ消去とテーブルの「断片化(フラグメンテーション)の解消」を行います。

期限切れトランジェントデータの消去

トランジェント(Transient)とは、WordPressのAPIやプラグインが外部サービスとの通信結果などを一時的にキャッシュしておく仕組みです。通常は有効期限が切れると自動削除されますが、一部のプラグインのバグやアクセス頻度の低さによって削除されず、数万件規模で残骸が溜まることがあります。

WP-Optimizeの「期限切れトランジェントデータの消去」を実行するか、以下のSQLで安全に削除できます:

-- 期限切れのトランジェントオプションを安全に削除
DELETE FROM wp_options WHERE option_name LIKE ('_transient_timeout_%') AND option_value < UNIX_TIMESTAMP();
DELETE FROM wp_options WHERE option_name LIKE ('_transient_%') AND option_name NOT LIKE ('_transient_timeout_%')
AND option_name NOT IN (
    SELECT CONCAT('_transient_', SUBSTRING(option_name, 20))
    FROM (SELECT option_name FROM wp_options WHERE option_name LIKE ('_transient_timeout_%')) as t
);

テーブル断片化の解消(OPTIMIZE TABLE)

大量のレコード(リビジョンやプラグインの残骸)を削除した直後は、ハードディスクやSSDのファイル削除と同様に、データベース内に空き容量の「断片化(隙間)」が発生しています。

この隙間を埋めてテーブル容量をコンパクトにし、クエリの検索効率を改善するために「テーブルの最適化」を実行します。phpMyAdminで全テーブルを選択し、一括処理プルダウンから「テーブルを最適化する(OPTIMIZE TABLE)」を実行することで、数分で断片化が解消され、データベースの読み書き速度が向上します。


【印刷・コピペ可】年度末WordPress保守・セキュリティ棚卸しチェックシート

年度末の社内点検や定期メンテナンスでそのままお使いいただける「WordPress保守・セキュリティ棚卸しチェックシート(全15項目)」を作成しました。

社内Wikiやスプレッドシートへのコピペ、または印刷して作業の進捗管理にご活用ください。

年度末WordPress保守・セキュリティ棚卸しチェックリスト(全15項目)

分類 No チェック項目 重要度 確認状況
事前準備 1 作業直前のデータベースおよびサーバーファイル全体の完全バックアップを取得したか 必須 [ ] 完了
事前準備 2 万が一の不具合発生時に備え、復元手順および担当者の緊急連絡先を確認したか 必須 [ ] 完了
プラグイン整理 3 「停止中(無効化)」のまま放置されている不要プラグインを洗い出したか 高 [ ] 完了
プラグイン整理 4 ショートコードの残存や他機能への依存関係がないか確認した上で、不要プラグインを完全アンインストール(削除)したか 必須 [ ] 完了
プラグイン整理 5 過去1年以上アップデートされていない放置プラグインや脆弱性情報が報告されているプラグインを代替品へ移行したか 必須 [ ] 完了
アカウント整理 6 直近半年〜1年間ログイン履歴のない休眠ユーザーアカウントを洗い出したか 高 [ ] 完了
アカウント整理 7 退職した元社員や契約終了した外注先のアカウントをすべて削除したか 必須 [ ] 完了
アカウント整理 8 アカウント削除時、過去の投稿データを指定の管理者・代表ユーザーに正しく関連付けたか 必須 [ ] 完了
アカウント整理 9 管理者(Administrator)権限の人数を最小限(原則1〜2名)に絞り込み、投稿者・編集者へ適切に降格させたか 高 [ ] 完了
アカウント整理 10 全管理者のパスワードを強固な文字列に再設定し、2要素認証(2FA)を有効化したか 必須 [ ] 完了
DB最適化 11 削除済みプラグインの残骸データ(wp_options の不要 autoload やカスタムテーブル)をクリーンアップしたか 中 [ ] 完了
DB最適化 12 蓄積した不要な投稿リビジョン、自動下書き、ゴミ箱内データを一括削除したか 中 [ ] 完了
DB最適化 13 wp-config.php に WP_POST_REVISIONS(上限設定)や AUTOSAVE_INTERVAL を追記して再肥大化防止を設定したか 高 [ ] 完了
DB最適化 14 期限切れトランジェントを消去し、データベーステーブルの断片化解消(OPTIMIZE TABLE)を実行したか 中 [ ] 完了
事後確認 15 棚卸し完了後、サイトの主要ページ表示・お問い合わせフォーム送信・管理画面ログインが正常に動作するか最終検証したか 必須 [ ] 完了

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まとめと定期メンテナンスのすすめ

年度末や新年度の節目は、日々の運用で後回しになりがちな「WordPress資産の棚卸し」を一気にやり切る絶好のチャンスです。

本記事で解説した3つのステップ(不要プラグインの完全アンインストール、ユーザー権限の最小化とアカウント整理、リビジョン削減を含むデータベース最適化)を実施することで、サイトの表示速度が劇的に改善されるだけでなく、外部からの不正アクセスや乗っ取りのリスクを最小限に抑えることができます。

年1回の棚卸しだけでなく日頃の自動監視・継続点検がサイトを守る

ただし、サイバー攻撃者は年度末に限らず、年中無休でプラグインやコアの新たな脆弱性を探し続けています。

年1回の大掃除に加えて、日頃からプラグインの定期アップデートを行い、不要なアカウントが放置されない運用ルールを社内で策定することが重要です。また、長期休暇前の集中対策については、関連記事「年末年始に向けたWordPressサイト改ざん・不正アクセス防止対策完全ガイド|長期休暇前の必須設定と緊急監視体制」もあわせてご確認ください。

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